夏が来れば思い出す(上):カヌー初体験

投稿日:07.23.2010|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件

昨年の夏、カヌーで川下りをしました。それは私の人生の中で5本の指にはいる程の衝撃と感動でした。思わず、日記を書き、参加者にお送りしました。その時の感動を是非皆様にもと思い掲載しました。

初めてのカヌー溶け込む

日記(2009年の8月・・・・夏)

2009831 

私の20098月のキーワードは「水」。きっかけは、子供達夏休み直前の7月16日。長女を除き「夏休みに子供達をどこかに連れて行って。例えばあなたの友人の矢野さんはどうかしら?」と妻に言われた事が始まりでした。「賛成!!いい!!」2人の子供達の返答。矢野さんは、大学の友人。学生時代から今日に至るまで川人です。こんな人はどこにもいません。いまだにこの人はすごい人だと思って尊敬しています。

今の私は、独立して、未だ事業が開始されていない状況からいっても(昨年の話し)、遊んでいる場合ではありません。しかし、思い切って一歩を踏み出さなければ、状況は打破できません。行動に移そう!遊びも仕事も!?矢野さんの話しが聞けるなら今後の参考になるだろう。「水」をテーマに外に出よう!と。そう決めた瞬間から私が“動き出しました“。今、この瞬間も続いています。

そこに飛び込んできたのが、大和田さんの原子力発電所見学のお誘いでした。二つ返事で「行きます」と言えたのも、「水」がキーワード!そう決めたからでしょう。以前の私であれば参加しなかったでしょうから。全て大学つながり!。

 何故「水」か?。管の製造をしてきた私にとって、今までは構造物としての「管」の認識のみが強く、流体移動の手段としての管に思いをはせる事はあまりありませんでした。流体移動用の管は「丸管」が普通ですが、以前の私の仕事は塑性加工・ロール成形法により、丸管を素材として角や異形に成形(変形)することにより、機能を向上させる構造体(フレームとなる管)を作っていました。ですから、素材・材料としての興味ばかりで、そのまま利用なんて考えもしなかったわけです。今後の仕事・新事業は「丸管」も関係してくるので、この機会に、意識改革をしたいと考えました。一方、環境問題、フードマイレージ、水の浄化事業、ドライ成形(油を使わない管製造も現在目指しています)等の社会的認識・評価、国家的な事業、食・事業、それへの関わりを鑑み、且つ学生時代から続く、化学的見地からの水への興味(原子力関係も「水」を沢山使います)から、現在私達が直面している問題、「いかに「水」と付き合っていくか」へと変わっていますが、やっと休眠していた私自身の80%の「水」が、自分を揺り起こすことになりました。

余談はここまで。先ず四国の矢野さん訪問から綴っていきます。

矢野哲治さん(日本の川地図101を学生時代に書いていました。古書ですが、名著の誉れ高い本で、amazonで購入できます)とは、私が大学院を修了して幾度も会うチャンスがあったにもかかわらず一度も会えずじまいでしたから、約20年ぶりの再会です。
日本の川地図101
私から突然メールを差し上げてから(事件は突然起こります)、やり取りを十数回重ねた後、その日は来ました。心配していた天候も、結果、ベストの日取りで決行されました。8月3日午前11時過ぎ。四国・徳島県JR「阿波池田」駅。改札の向こう側では、昔と変わらず少し顔を斜めにして立ったあの姿、忘れていた昔と今が重なった瞬間でした。この状況は私にとって忘れられない光景になりました。矢野さんは昔と同じでした。20年の時間経過による外見の変化なんて、微々たるもので、変わらない何かが瞬時に伝わって来たのは秘かな感動でした。目頭が熱くなりました。再開の瞬間から昔の矢野さんとの関係は復活したのだと勝手に思っています。
挨拶もそこそこにうどんを食べに行きました。このうどんも極めて印象的でした。矢野さんの日常で、極めて普通の事柄が、他人にとって特別な意味を持つなんてざらにありますよネ。特別と思った当の本人は宝物を見つけた如く凄く嬉しいものです。しかし、これは小さな驚きの始まりに過ぎませんでした。おっと、話しを続ける前に忘れてはいけません。今回の参加者は、私、息子の小4通称「あっくん」小2通称「ひろくん」および、サイエンスライターの富永裕久さん(本を沢山出版しています。ご興味のある方はamazonで検索・購入してください

tomi

4人で矢野哲治さん経営の「サファリ」(徳島県 http://safarin.com/index.html
吉野川ラフティング・ツアー)にお邪魔しました。写真等は別途各位にはお渡ししています。子供達の視点からは、夏の「自由研究」(題目:川を通じて環境を考える。―――ラーメンのスープは飲むべきか―――)にまとめられています。子供達は帰ってきてから一所懸命「自由研究」をやっていました。結構大作です。子供達目線の矢野さんの言葉も沢山散りばめられています。

サファリ全景

 「サファリ」で一時休憩をした後、ウエットスーツ、メガネ止め、救命胴衣、靴など商売道具の一式(テント、バーベキュー、椅子・机・・等々・・ハイエースの荷台が一杯)を借りて「サファリ」を出発しました。先ず吉野川上流に沿って走り出し、途中、高速道路を使い徳島県から高知県の仁淀川中流に向けて進路を変えます。矢野さんの頭の中の地図は、川が中心なのだそうです。途中バーベキュー用の買出し等をした後、無事、目的地の仁淀川の川原に到着です。この計画は、最初から矢野さんの計画・手の中でした。メールでのやり取りで行程を知っていたといえども、本当に実現するとは実は思っていませんでした。今となっては全く知らずに私も子供も、そして富永さんも参加したといえます。
仁淀川到着
到着直後から大きな驚きでした。直ぐにカヌーを準備。子供達にウエットスーツ、救命胴衣を付けさせました。そして子供達を乗せた矢野さんのカヌーは川の彼方に向けてぐんぐん漕ぎ出されました。カヌーがポツンと点にしか見えない光景を目の当たりにした時、いろいろな思いがこみ上げてきました。子供は親の自由になるものでないと感じる瞬間でした。じきに親から離れていくものであると改めて認識してしまいました。そしてその時の子供の顔が、今まで見た事のない、笑みを浮かべていて、全てを受け入れる、素直な顔になっているのは見逃しませんでした。

カヌー準備

カヌー出発

彼らの心を突き動かしたのは、矢野さん+カヌー+自然の力と確信しています。仁淀川に到着した瞬間に私の子供達への目的は完了です。もうこれで帰っても良いと思ったくらい親としては満足でした。矢野さんには大変感謝した瞬間でした。その後、仁淀川の川原でキャンプ。バーベキューをしながら花火、暗い川へライトを照らし、手長えびの捕獲、観察。放流。・・・・・・。夜もふけ、少し雨がちらついてきたと思いきや、ダム放水の放送。安全に安全を考え、設営したテントを解体して、移動しようとした時(矢野さんは携帯で情報収集しながら、経験的に移動しなくても大丈夫と分かっていた。しかし、結論は「移動」を決行。矢野さんの自然への姿勢を垣間見た一場面でした)、ハイエースが川原の砂利にタイヤを奪われ立ち往生。矢野さんが車を出そうとしている姿は、自然に対する人間の原点を見ました。男を見ました。粛々と根気と粘り、それでいて泰然とした姿勢。私には無いものです。見習うべきものです。(つづく

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