京都 知恩院。技術者の目で・・・
投稿日:06.18.2015|カテゴリー:Blog|コメント・トラックバック:0件
先週、京都 知恩院を参拝しました。技術者の目で感想を述べたいと思います。
この知恩院、刈谷・於代の方(徳川家康の母)の葬儀が執り行われた徳川家と縁の深い由緒正しいお寺です(池田様談)。お説法を頂戴し、おつとめをしてまいりました。今まさに歴史の上にいることを実感できました。
それでは写真でご案内しましょう。先ずは国宝の三門。圧巻の大きさです。
帰って来て写真を見て気が付きましたが、台座の上に柱が乗っているのではなく、台座がたぶん「柱に固定」されていて、台座は地に対してフリー。建物の揺れや歪を上手に逃がしている構造の様です(何故なら下が円弧になっているから。単に上からの垂直力を受けるなら下に広くなっているはずです)。・・・それにしても柱1本を取っても大変立派です。しなやかさと堅牢さを兼ね備えています。
現在、国宝御影堂は平成大修理の真っ直中。
ご厚意により中を見学することができました。
三代将軍徳川家光の時に再建された御影堂は複数回修理されているそうです。それにしても瓦を下した屋根の骨組みを見て衝撃でした。・・・こんなに丸太棒があろうとは・・・現物合わせ(現合)で丁寧に仕上げていくようです。昔に比べ技術者が減り、明治の大修理に比べ相当長い時間(倍近く)がかかるとの事。ここも人材不足(今の人口は明治に比べ約3倍もあるのに)。・・・しかしながら技術力とは一体何でしょう?。本当に昔に比べ技術力は上がっているのでしょうか?良く考えないと・・・。
庇の重さを「てこの原理」を利用して支えています。
智慧乃道には法然上人の御尊像。
普段では入れない大鐘楼ですが、
入らせて頂けました。
70トンもある大鐘を上手に支えています。近くで見れたからこそ判るのですが、ここも「てこの原理」が利用されていて、フレームで支えられています。屋根の三角錐は面となりフレーム全体をつなぎ一体化させ、荷重を効率良く分散します。今までまじまじと古い建造物を見たことが無かったのですが、よくよく見ると、土台と柱は互いに切り欠きされ組み合わされ接合されていて、切り欠きの弱い部分・根元にはちゃんと金具で補強がなされています。
先人達の知恵・伝統、大いに参考にさせて頂き、仕事にも利用させて頂きたいと思います
(温故知新)。
以上が参拝の記録です。
最後に、
京都には直ぐそこに歴史があると云う1枚。
ご一緒させて頂きました皆様、関係者の皆様、遅まきながら感謝申し上げます。
そして、お疲れさまでした。
合掌。
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