角パイプ05 : 製造者の品質目標(1) (テクノ・コラム)
投稿日:08.13.2010|カテゴリー:TechnoColumn|コメント・トラックバック:0件
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ここでは、角形鋼管(角鋼管、角管、角パイプ)の製造にたずさわる設計者・製造者の製品品質目標とはどんなものなのか考えてみましょう。
今一度、一般構造用角形鋼管:JIS G3466の寸法許容差をあげながら、項目順にコメントして参りましょう。
①辺の長さ:±1.5mm(100mm以下)、±1.5%(100mmを超えるもの)
・・・特にお客様との取り決めがない場合は、長手方向のどの部分も中心値(表記寸法)になるように狙います。多段スタンドのロールプロフィール(形状)、配置などの条件により形状・寸法が決まりますが、ロール径×π(円周率)ピッチで寸法や、以下の述べる平板部の凹凸、角部の寸法などの”ユレ”周期があります(ノギスなどでの測定では分かりませんが、光の加減を調整しながら全体をよく見ると分かります!)。この”ユレ”はロール品質、機械強度などが影響しています。たまに、矯正ロールによりこの現象(スパイラル状)を見ることがあります。(変化の周期により原因が分かったりします)
②各変の平板部の凹凸:0.5mm以下(辺100mm以下)、辺の長さの0.5%以下(辺100mm超)
・・・通常「平坦度」と呼びますが、特にお客様との取り決めがない場合、
完全なフラットでは無く、以下の事由により、製造者は均一な凹に作ろうと心がけます。
⇒製品を結束する場合、座りが良い。結束を解いた場合、安定性がある。
⇔凸は不安定(不安全・危険)。
⇒凹は寸法測定できるが、凸は直接的に測定できない。
⇒凸であると見た目(外観)が悪い。
⇒直角度(隣り合った平板部分のなす角度)の良し悪しが判別できない。
など。
以上とは別に、
⇒切断した時、スプリングバックが発生して、切断面が膨らむ為、凹であれば打消し合う。
⇒特に、縦・横比が大きく異なる角形鋼管はロールプロフィール設計が難しい。
そして、平板部分が仮に凹でも部位により数値に差が出る
(言い変えると、平板部が波をうっている。下図)。
⇒上記と同様に、製造上の理由により、所望(目標)とは異なる製品が出来やすいもの
:高張力鋼、厚肉鋼管、薄肉鋼管など・・・要は作りにくい・難しい
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