角パイプ09 : 長方形パイプ(テクノ・コラム)

投稿日:08.20.2010|カテゴリー:TechnoColumn|コメント・トラックバック:0件

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次に、長方形鋼管について述べてみたいと思います。サイズの呼び方は、横(長辺)×縦(短辺)×肉厚で表記し、例えば70×25×t1.6は
「70の25、肉厚1.6の角パイプ」と読んだりします。
このサイズ゙は、パイプ問屋の在庫表からとってきました。単重は2.32Kg/mとの表記ですので、素管はΦ60.5×t1.6と判ります。この素管に対し、角パイプのサイズ・寸法は小さすぎる・・・。
???
何をいっているかと言うと、
素管Φ60.5の外周は60.5×π(パイ)=190.07mm
70×25の長方形の外周は、(70+25)×2=190mm
素管外周と長方形外周がほぼ同じです。このような場合、コーナーアールが小さくなります。
コーナーアールが極端に小さいと、いろいろな不都合があります。
作る側から、
  ・フラット面が綺麗にできにくい(波を打ちやすい)
  ・成形ロールのプロフィール端部付近に被成形材がある、傷がつきやすい(噛み出しなど)。
  ・ロールが痛みやすい(=製品に傷が付きやすい)。
製品を使う側も注意が必要、
  ・コーナー内側に亀裂など発生しやすい。
  ・コーナーアールの小さい角パイプはメッキをすると割れる可能性がある。
   ⇒メッキするなら、2t以上は欲しいところです。
など不都合などありますが、
ストレートが長いので、使いやすいとか、コーナーを溶接する為、小さいコーナーの方が、溶接が簡単などと言われます。また、フラットバーの代わりの角パイプもあります。そのような時は、短辺が特に短い為、必然的に設計段階でコーナーを小さくします。これらの角鋼管の採用には後工程に注意してもらいたいものです。

コーナーアールの小さい角パイプは、
ロール成形をしながら、パイプ外周を意識的(無意識?)に縮めることにより、
コーナーを作っていきます。
そうすると、外周長の縮みは肉厚増や伸びにいきます。現物をお持ちの方は、御覧下さい。
特に、コーナーアール中心にかけて増肉が大きいと分かります。
また、表記長さよりも相当長いなんて事も発生します。
5,500mmの素管の長さで、外周長が3%小さくなり、その分全て長さにいったならば、
5,665mm!。現実にこのようなパイプがあります。これは、リ・ロール特有の現象です。
アズロールであれば、ちゃんと標記長さに切断されています。
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