ものづくり 3D-CADのポテンシャル・上

投稿日:11.10.2010|カテゴリー:TechnoColumn|コメント・トラックバック:0件

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3D-CAD(三次元のコンピュータ支援設計)は「ものづくり」を大きく変えました。
従来型のものづくりの設計(図)は、物体を3方向から見た3つの2D平面図からなり、これを見て元の物体を掌握しなければなりませんでした。これには、相当の訓練・熟練度を要しました。しかし、3D-CADの登場により、全くの素人でも少しの訓練で欲しい製品形状を簡単に設計することができるようになりました。加えて、3D-CADは、瞬時に空間的判別ができるので、商品のレイアウト、スペースの有効利用、コンパクト化などを簡単に実現してしまいます。

更に世界に目を転じてみると、主流は、従来型のすり合わせ(インテグラル)からモジュールの組合せによるものづくりに転換し、瞬時に空間的認識が出来る3D-CADの存在感は益々増大しています。
以上をみると、3D-CADの発展の歴史は、ものづくりの歴史と完全にオーバーラップしている様に見受けられます。3D-CADのデータを用いて、試作・製造前の試験CAE(強度シミュレーション、熱伝達シミュレーション、成形シミュレーション解析)を行うことにより、開発時間・新商品立上げ時間の短縮と、コスト削減、など、多くを実現しました。この流れは更に加速していき、3D-CADと言えば設計図=シミュレーション(実験)=NCデータの中心的な道具と同義語的に言われるようになりつつあります。
ものづくりに携わる私達は、この3D-CADという道具をフルに活用してこそ技術力のアップ、コスト削減、時間短縮に繋がる上、全員参加(経営はもちろん、営業、管理、或いはお客も含めて)出来るが故に、ものづくり技術を底上げする道具、ニーズを吸い上げことができる道具との認識に立たざるを得ない状況になって参りました。今まで人に宿してきた技術・知識・ノウハウを何とか各社の3D-CADに投入・集約しなければ、近い将来、会社の存続が危うくなってくると予想されます。今まで培ってきたノウハウやスキルを3D-CADに移植し、今後減り続ける若者たち=後身の右腕の代わりとして、3D-CADにより人を育てるシステムの確立も急がなければなりません。

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