08 石川剛圭プロフィール_開発、特許
投稿日:05.05.2010|カテゴリー:Profile(プロフィール)|コメント・トラックバック:0件
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ある時、顧客から製法特許が出ている製品を提示されて、別の方法で作ってもらいたい旨をいわれた。私は、出来ない理由がハッキリしていないことに関して、自分自身で試してみたり、実験をやってみる性分である。私はこの仕事を請けた。但し、うまくいかないことも考えられるので、試作が成功し、製品サンプルを提出できた時は、お金を頂く(成功報酬)旨を伝えた。
一回目の試作、初トライ。結果を見た瞬間、全く駄目であった。大変なショックであった。「ぜんぜん駄目」「当然出来るわけがない」と思わず口から出た。勉強している人や熟練者には至極当然の現象であった。私はこれを全く予想できなかった。やってみて初めて分かった。しかしその時は、そんなことに気を取られていてもしようがない。できる方法はあるのか?ジーと観察した。絶対にできないのか?と何度も自問しながら・・・5分も過ぎていなかっただろう、舐めまわすように失敗現場を見ていると、突然目の前に稲妻が走り、真っ白になった。突然解った。「いける!」現場で確信を持ち、その場を離れ、事務所に戻りドラフターの前で、現場で思いついた数式で計算し、従来とは全く異なる設計をした後、半日以上かけて組み上げた段取りを全て分解して、再び組上げ、トライ。形状は歪(いびつ)ではあったものの、成功。現場では、その時、「将来、NHKのプロジェクトXに出て、今この状況の画面が再現される・・・」なんて、話していた。あまりにも嬉しかったために、普段そんなことはしないのだが、試作後に私の机の後ろにあるドラフターの横に現物サンプルを置いて、たまに眺めたり、触ったりしていた。
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