今 福島原発で起こっていること

投稿日:03.18.2011|カテゴリー:Blog, 原発事故・地震・天災|コメント・トラックバック:1件

昨日、私の仲間から1通のメールが来ました。
今の福島原発事故で起こっていることについての質問です。
やり取りを掲載します。ご参考まで。(間違いなど見つけられましたら、御連絡下さい)
(2011年3月17日2:23)
岩佐
件名:福島で
内要:いま大変なことが起きています。
言うまでもなく原発の事故のことです。

政府や保安院・東電などの発表を聞く限り、最悪の状態にはならないように思えますが、
スリーマイル以上チェルノブイリ以下という記事も読みました。
静岡までだめになる、いや沖縄以外は全部だめだ、などの話も散見されます。
原発で爆発――と聞けば、平均的な日本人なら「ヒロシマ・ナガサキ」を連想します。無理もないなという気はします。
韓国ではヒロシマ型5万発分、なんて報道もあったようです。
何が本当なのかまったく分かりません。

そこでいろいろ自分なりに調べてみましたが、分からなくなっていくばかりです。
子供たちに聞かれれば絶句するするしかないでしょう。
ヘタなこと言えませんし、核アレルギー的な気分だけでもモノは言えません。
そこで思いついたのが石川さん。原子力の専攻でしたよね。
疑問点をいくつかまとめましたので、時間があるようならお答えがいただけるとありがたいです。

①メルトダウンに関して
 地震がきた瞬間に止めるということがなぜできなかったのか。
 なぜ通常運転中には起きないのか。核分裂連鎖反応が起きている、という点では同じのはず。
 格納容器はメルトダウンを想定して設計するものではないのか。
  であるとしたらなぜ格納容器が破損するのか。
 水素爆発が核爆発を引き起こすということはないものなのか。

②冷却に関して
 冷却用の予備電源がどうして動かなかったのか。
 入っていかない海水はいったい何処へ行っているのか。

③「スリーマイル以上チェルノブイリ以下」に関して
 チェルノブイリは一機の原子炉の事故であり、福島第一は4機同時多発。
  これでなぜ「以下」といえるのか。
 「最悪の事態」とは何を意味するのか。「ヒロシマ・ナガサキが5万×4発」と考えていいのかどうか。

すいません。書いているうちにあれもこれもと盛り込んでしまいました。
次から次へと涌いてきます。ちっともまとまっていませんね。
怖いということ以外ほとんど何も知らない人間なので、笑って流してください。

原子力発電はやるべきだと今でも自分は思います。少なくとも研究は切らしてはいけないと。
日本には資源がなく、付加価値の高い技術で立国していくしかないのですから。
しかしことここに至れば、日本の原子力利用は凍結せざるを得ないのだろうなとも考えます。
東海村の事件(あえて事件と書きますが)とはまた違う形で、認識の甘さを露呈したことを思えば、世論が許さないでしょう。
政府や電力会社の甘言に騙されてチェックを怠ってきたのが、他ならぬその世論なのですけれども。

原発がだめなら他で3割を埋めるか、使う側で3割削るかするしかありません。
いずれにしても電気は高くなります。
そうなれば製造業はますます苦しくなるでしょう。
資産デフレも避けられないとくれば、行き着く先は国債のデフォルトかハイパーインフレ…。
日本という国の「終わりの序曲」――などという言葉がふとよぎります。

(2011年3月17日7:55)
石川
件名:長い回答
内要:岩佐様                   

お世話になります。
石川です。
メール有難うございます。

沢山質問がありますね。
専攻は原子核工学、(まあ、かっこよく核融合でしたが・・・というようにしています)です。友人、知人も沢山の人が原子力関係にいます。彼らが心配です・・・。

ところで、回答を書く前に、あくまで予想ですが今後どうなるか述べたいと思います。

もう新規に原子力発電所を国内に作るのは無理でしょう。海外の受注も相当難しくなるでしょう。原子力発電をつくれる企業の世界シェアの3/4が日本ですが、安全神話が崩れれば厳しいでしょう。・・・上昇の国に対しては例外かもしれませんが・・・。

岩佐さんの意見について一部異なりますが、大筋はおっしゃる通りと思います。ハイパーインフレは、そうならないようにできる方策はいくらでもあると考えます。今の、**と同じで、対応をしなければ、おっしゃる通りにそうなるのでしょう。今は、ただやっていないだけと考えています。選択肢がだんだんなくなりますが・・・

長くなりますのではじめましょう。

> ①メルトダウンに関して
>地震がきた瞬間に止めるということがなぜできなかったのか。
>なぜ通常運転中には起きないのか。核分裂連鎖反応が起きている、という点では同じのはず。
>格納容器はメルトダウンを想定して設計するものではないのか。
>であるとしたらなぜ格納容器が破損するのか。
>水素爆発が核爆発を引き起こすということはないものなのか。

一言でいうことができない質問ですね。先ずは地震が起きた瞬間に止めることは・・・不可能です。核燃料(ウランなど)は自然に中性子を出しますが、核反応は、中性子がウランなどに当たると中性子を出しながら崩壊します。この時の熱を利用して発電するのが原子力発電です。もう少し詳しくいいますと、核反応で中性子が2個出るとします(条件により個数やエネルギーがは異なります)。このうちの1個が隣のウランに当たり核分裂して連鎖反応していくのが、原子力発電・爆弾です。もし、この中性子がウランなどに当たらなければ核反応はすすみません。逆に言うと、ウランをいっぱい集めると中性子が核燃料に当る確率が高くなるので自然に核爆弾になります。これを、緩やかに定常状態での核反応にするのが臨界。急速に反応するのが爆弾です。要は核反応を常に制御している状態が原発ということになります。

制御とは?
制御棒(中性子を食べる)の存在と、水です。水は極めて重要で、これがあると中性子エネルギー(スピード)が下がるのです。水分子は密度が大きいので、中性子が水分子のHやOに当たり、減速するのです。そうすると、

減速した中性子がウランなどに当たるとそうでない時より中性子の数が減ります(上に述べた条件がこれ)。それと、熱くなった温度を冷やす効果があります。・・・これを利用して発電しているのです。今回、水がなくなったことが駄目なのです。燃料棒が空気中に露出しているから駄目なのです。速く水を満たせば良かったのですが、ポンプ電源が壊れたそうです。(津波で水浸しでしょう)水がないので、自然に核反応はすすみます。

水がありません。(あれば何も問題はなかった)そうすると自然に起こる核反応で発熱し、自分自身がとけ、下に落ち、たまり、上に書いた通りある臨界量を超えると核爆弾となるのです。これがメルトダウン。実は正確では無いのですが・・・これくらいで・・・。
こうならないように、万全を期していると思われていましたが・・・。下に落ちた核燃料は金属を溶かすほどの高温になりますので、容器が破損する可能性は否定できません。コンクリートも特殊ですが、限界値を超えれば壊れます。・・・前提は、地震や事故で制御棒で緊急停止をしました(出来ました)。水が満たされているのが前提です。この大前提がもろくも崩れたのですから、もう原子力発電は駄目と感じるのです。

水素爆弾で、核爆弾を引き起こすことはありません。あくまで中性子が必要です。
原爆はオッペンハイマーが指揮を取って作られ、
水爆はテラーが指揮をして作られたもので(どちらも米国籍)、
水爆は、核分裂・原爆のエネルギーを利用して、
核融合(太陽で起こっている反応)を起こしているものです。

> ②冷却に関して
>  冷却用の予備電源がどうして動かなかったのか。
>  入っていかない海水はいったい何処へ行っているのか。

普通は、電源を外から取れるはずなのでしょうが、地震で変電所などが駄目。津波は7mを想定して作られていて、実際は15m?位がきたので水浸。そうするとモーターも水浸しで駄目。予備電源が2系統だったそうですが、同じシステムでしたので、どちらも駄目。緊急の電源が1つだけがあったそうです。それは電池で動くもの。これが8時間位で電池切れ。この時、B・ボロン(ホウ素)をぶち込み、海水でも何でも水を入れればこのようなことは起こらなかったのでしょうが、中で働いている人達は、マニュアルで訓練されている方々ばかり。始めからこの地震はマニュアルを超えているのです。もしかしたら、それをすると原発が使えなくなるので躊躇した方々がいたかもしれません。もし、こんな論理が作用したとすれば・・・決定的に駄目ですね、経済性を優先させてしまい、信頼を無くす原因になりす。三菱自動車のホイールみたいです。・・・・何か、ものづくりに似ています。このマニュアルを追えた教育が出来るのが大学でしょう。もっと大学など、頑張って頂きたいものです。

・・・「あ、水はどこへ」を答えていませんね。基本は水は沸騰させてそれを利用してタービンを回す機構ですのでどんどん水を供給しなければなりません。そのようなシステムです。その水の供給がなければ、自然と減る。どんどん気体が発生、加圧され・熱が出て、その上、燃料棒の被覆にジルコニウムを使っている(昔の話し、今はステンレス)ので、水素を出します。だから水素が上にたまっているのです。高圧の容器の中には水がなかなか入らないのでしょう。水は入らず外が水浸しでしょう。・・・津波で水浸しともいえますが・・・。

> ③「スリーマイル以上チェルノブイリ以下」に関して
>チェルノブイリは一機の原子炉の事故であり、福島第一は4機同時多発。
>これでなぜ「以下」といえるのか。
>「最悪の事態」とは何を意味するのか。「ヒロシマ・ナガサキが5万×4発」と考えていいのかどうか。

最悪は小さな核爆発が起きる。これが最悪の事態。水とボロンさえあれば・・・大丈夫です・・・。小さな核爆発とは、ウランが沢山集まると核爆弾になります(水がある中での爆発は、核爆弾と機構が異なるそうです。核爆弾は純度が高い核燃料・ウランなどを使いますが、原発の燃料は純度が低いです。)。これが爆発すると体積が膨張して、あるところまでいくと、臨界量以下の密度になるので爆発が留まる。これが水やボロンがあったときの最悪のシナリオ。

今後、この原発は、コンクリート漬け(鉛の入った特別なもの)にされ、100年以上後に、どうするか対処されることになります。その対応は私達の孫やひ孫の余分な仕事です。負の遺産だけで無く、正の遺産を沢山残さなければなりません。

チェルノブイリとの比較は出来ないと思います。あちらは、完全に爆弾状態です。全く規模も原子炉の機構が異なります。・・・忘れました。調べれば思い出しますが、・・・時間がもったいない。ようは、外部に多くの核物質を出すか、出さないかの違いです。ここは、基本コンセプトが異なりますので、規模は小さいとなるわけです。但し、チェルノブイリはコンクリートを流し込み封鎖できましたが、今回それが出来なければ遥かに多くの被害が長時間に亘り私たちを苦しめるのでしょう。

私は、基本的には原子力発電は???です。だから、いやみのようにこうなったらどうする?とか、ここはまずいじゃないか?と回りの人を捕まえて言っていました。学生時代からそうです。だから勉強が必要でした。原子力は、科学・工学の英知を集めたものとの認識、ガソリンを燃やして、自動車を動かすのはもったいないとの認識が原子核へ導いたのでしょう。こんな話しをご存知ですか?東京-名古屋を自動車で移動すると、タイヤ4本出来ちゃうと!高校生頃聞いた話しです。私の中で、電気を作る(変換する)・・・学部は電気化学・燃料電池の研究室・・・がキーワードでした。

今回の事故で、原子力の未来をもう一度、見据えなければならなくなるでしょう。今後、東京電力に命を預けるのは・・・という話しになります。中部電力然り、・・・すると、原子力は政府直結となるでしょう。政府は、この結果を漁夫の利として使うかもしれません。自然にそうなってしまうものなのかもしれません。書いていて気がつきました。

長くなりました。
答えになっているでしょうか?

今回の大震災により、犠牲となられた皆様に深く哀悼の意を表するとともに、被災された方、そのご家族・関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興を心より祈念いたします。

もしよろしければ、**の皆さんに転送してもよろしいでしょうか?
皆さん同じ疑問をお持ちでしょうから・・・。

(2011年3月17日11:47)
岩佐
件名:更に長い文面・・・
内要:まず始めに。
転送に関してはぜんぜんかまいません。素人の素朴な疑問として受け取ってもらえたらいいと考えます。ちょっと面映い気はしますけれど。

さて。
だらだらと長いだけの質問にもかかわらず丁寧な回答感謝します。専門的なところはきちんと理解できたか怪しいものですが、
どれだけいい加減にやっていたかはよく分かりました。

「水とボロンさえあれば」とのことでしたが、海辺なので少なくとも水には事欠かないはずです。つまり冷却できないのはポンプが動かないから、ということになりますね。そしてポンプを動かすのは、電力。原子炉そのものに事故が発生しているのに、そこから電源を取るつもりだったのかと最初思いました。自分で自分を手術しようという話で、なんかの冗談?と(ブラックジャックは自分でやれるようですが)。でもそれはさすがに違いましたね。
しかし予備電源。
海辺に作ってあるのに、より大きな津波を想定しておらず、いざ津波がきたら水浸しになってしまって使えない――絶句です。石川さんの文面からは、原発には予備電源用に小さな発電所があるものと考えてよさそうですね。もしくは他の発電所の電力を引いてくる設備か。いずれにしても原子炉から生まれる電力とはまったく由来の違う電力を使う仕組みがある、と。それが同じシステム…同じシステムなら、同じ災害が来たら同時にイカれるに決まってるじゃないですか。そして残ったのが8時間程度しかもたない電池のみ――お粗末といえばあまりにもお粗末です。ほとんどコメディです。笑うわけにはいかないけれど。

「水やボロンがあったときの最悪のシナリオ」ということは、ボロンはよく分かりませんが、現在は水がない状態、ですよね。露出しているわけですから。注入しているのに露出…ということは冷却できていない、でいいですよね。って、あれ?よく分からなくなってきました。放水だとか、ヘリで散水だとかを聞くと、原子炉には穴が開いていて、ウランやらプルトニウムやらの燃料が外気に触れていて、アングルさえよければ外からカメラ撮影だってできる有様を想像するのですが、そういうことではないのですか?
「高圧の容器の中には水が入らない」?
つまり卵の殻に水をかけているだけ?
「露出」というのは容器の中で水に浸かっていない状態を言っている?
でもそれなら、蒸気が出きってしまえば、圧力は大気圧と同じになるはずですよね。
確か安全弁を開放したはずでは……。
いろいろごっちゃになってますか?

あ、制御棒のことを忘れていました。
ニュアンス的に、突っ込めば核反応は止められる、ものなのでしょうか。ならばなぜ突っ込まなかったのでしょう?それとも突っ込んだ状態でこの始末、なのでしょうか。だとしたらそもそも意味ないのでは……。

使用済み燃料プール、なんて言葉も出てきましたね。原子炉じゃなくてゴミ捨て場もヤバイのです?使用済みってことは核反応は起こり切ったもののはずでは?それも水に沈めておかなければならないものなのでしょうか?干上がるとやっぱりメルトダウン?わけが分からなくなってきてしまいました…。

なんにしても。
放射能が漏れています。被爆者も出ています。現在進行形で起きている事態を「最悪」とは呼ばないのでしょうか。アメリカ政府は半径80キロ圏内の自国民に避難勧告を出したそうです。名古屋市がすっぽり入るどころじゃ済まないスケールです。核爆発が起きていないだけまだまし、と考えるしかないのでしょうか。時間の問題のようにも思えますけど……。

原子力は人間にはやはり不相応な道具だったな、と考えてしまいました。少なくとも日本人はそれを使っていいほど賢くはない、ということだと思います。今回のことでまず腹が立ったのは、マスコミの「いつものあの態度」です。まるで他人事。サッカーのゴールの瞬間のように沸き立っている。普段なんのチェックもしていなかったくせに、こんなときだけ張り切る。自分の今の姿を自分の大事な人に誇れるのでしょうか、この人たちは。でも一番許せないのは、自分自身も含めた国民全体。当局の怠慢を放置しておいて、いざ事故が起きてみると安全なところから観客気分。こんなやつらには過ぎたおもちゃだったのでしょう。石原東京都知事が「天罰」と言ったそうです。この人らしいTPOをわきまえない不謹慎極まりない発言ですが、趣旨には賛同できます。
人間のやることなので、ヒューマンエラーはいつか必ず起きます。災害だって、いつ来るか分からないだけであって、絶対に来るものです。東電も間抜けですが、われわれ日本人の甘さが招いた人災だと思います。

この事故がどういう終局を迎えるのかは分かりません。核爆発なのか、沈静するのか、それとも他の何かか。でもその後のことは分かります。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」

日本人の得意技です。
二三ヶ月もすれば、どこぞの芸能人が妊娠したとか、そんなどうでもいい話題に夢中になるに決まっているのです。何十年か後にまた同じような事故を起こすのでしょう。

PS
すいません。怒りをもてあまして脈絡のない文面になってしまいました。

(2011年3月17日12:51)
石川
件名:原発について
内要:お疲れ様です。
石川です。

ボロン・ホウ素について。ホウ酸水はご存知ですか?眼科にいくと洗浄で使うあれがホウ素を含んだ水です。ボロンは基本的には毒です。有害です。少しだから消毒になるのです。昔良く使われた赤チンも水銀ですが、少しだから消毒となります。(水銀だから、今は使われなくなりました。塩素・カルキはどう考えるか・・・)横展開の難しさです。一事が万事です。

ボロンは、制御棒と同じで中性子を食べます。液体ですので(正確には液体にする)、制御棒より核反応を止められます。今現在、制御棒は完全に入っていますが、燃料との隙間があり、その距離がこの事象を生んでいます。水は、減速・冷却するだけ。
だから液体で、中性子を食べるボロンを大量に投入する事が出来れば、完全に連鎖をとめられます。

まあ、すべて人はこのようにして学びます。自動車でも、引火性の極めて高い燃料を積んで走っているではないですか?また、今後、水素自動車(燃料電池)だった出てくるのですから、そう悲観してはいけません。学ぶのです。過去から。その姿勢を拒否したら、民主主義を否定しているのと同じ。チャーチルが言っています。こんな不完全な民主主義しか私達はもてないかもしれないが、それ以上の方法はない!(大分言葉は違いますが・・・このような趣旨です)石原知事の「天罰」は・・・彼は、彼自身が神様のようにいつもお話しされますが、影響力のある人のお言葉としては、???と思います。年のせいだけでは無いと感じます。皆さん命をかけて取組んでいる人がそこにいる!努力されている人達がそこにいる!ですから、言葉が違うでしょ!。

津波の想定高さが低かったので、今後原発は相当高い所に引っ越すべきでしょう。20~30m。今よりコストが更にかかる。安全面でも、周囲ができてしまう。(海岸は半分が海)厳しいですね。予備電源について、外の発電所から引張ってくるもの。これが何らかの影響で破損したのでしょう。岩佐さん、津波は、何時来るかわからないものに沢山のお金をかけられますか?100年に1度にどれほどのお金をかけられますか?ここは見直しが必要ですが、国民皆のコンセンサスが必要でしょう。今は、事業種分け。経済性だけでばさばさ切ってもいいのかの問いかけでもあります。

原子炉容器は多重になっています。メインの容器は壊れていないはずです。焼け石に水でも冷やしたほうが良いでしょう。温度とは、分子の運動エネルギーですから、それを取り除くということは、連鎖や水素爆発などを緩和することになります。

ゴミ捨て場の使用済み燃料も、水がなければちゃんとした爆弾となります。ウランが核分裂を起こした後は、トリチウム?やプルトニウム?(半減期が極めて長い!)になり、立派な核燃料です。注意が必要です(強いて言えば、こちらが飛び散ったほうが怖い・・・)。ゴミ捨て場は、発電を終了した燃料を一時期待機させるもので、ゆっくり冷やす、半減期の短い核分裂が落ち着いてから移動するところもの。温度が上がれば水が蒸発します。そうすると、こちらもメルトダウン。水、ボロン・ホウ素漬けが必要です。

今回3号炉は聞くところによるとプリサーマルだそうです。私の大学院の先生(もうずいぶん前に亡くなりました)が提唱していたもので、ちょっと感慨深いです。

今回は、東電の力量を始めから超えているのだから、政府はガンガンやるべきで、今やっているのでしょう。東電の出来る仕事に全力を傾けるべきでしょう。後は、時間との戦いです。時間経過がすすむほど相乗的に被害が拡大します。

それでは。皆さんにも転送します。
皆さんご意見を!・・・といいながら、短めでお願いしますネ。

(2011年3月17日21:51)
岩佐 
件名:難しい話しになってきましたね
内要:容器は壊れていない…メルトダウンが起きても容器は壊れないものなのでしょうか。原子炉から出てくる蒸気の放射能と、使用済み燃料や原子炉内にある燃料の放射能とでは、どちらが怖いのか、さすがにわかりますよ、でもメルトダウンが起きても壊れないのならば、「最悪の事態」とは何を意味するのかが分からなくなってきます。素人――つまり何の知識もない、でもヒロシマ・ナガサキは知っている――にとっての「最悪」は、ずばり核爆発です。当該地に巨大な穴が開き、放射能が全国に拡散し、日本列島が人の住めない島になる。

これは大げさであったとしても、相当の広範囲にわたって人が住めなくなる――これが最悪でしょう。

知りたいのですが、
「核爆発」の可能性はあるのかないのか。いや、可能性ならあるに決まってますよね。注水もままならず、このままの状態で推移していった場合、それが起こるのか。IAEAが「かなり深刻」といったようですが、彼らの目は何をどこまで見据えているのか。

100年に一度の災害に備えるべきなのかどうか。理想を言えば「べき」なのでしょうが、悲しいかなコストががそれを許さない。でも最悪の最悪を阻止することはできたはずです。20メートルの堤防は作れなくとも、絶対に動く電源を用意することはできたはずです。

(今になって予備電源システムの工事を始めるのだそうです)
初動対応がどれだけ重要か、ちゃんと意識していればバックアップシステムの脆弱さに気づけたはず。フランスのとある原発は、「1000年に一度の地震の倍のものが来ても耐えられる」ように作ってあるそうです。ほんとなのかどうかは分かりません。でも、そこまでやっているのだから、他のこと(たとえばテロとか)にも対する備えもできているだろう――と国民が考えているとしても納得できます。他の原発も大なり小なり同じだと思います。

だから国内の8割の電気を原子力でまかなえる。
日本はどうでしょう。
お上が国民を見下して、たいした説明もないまま電力事情だけで原発をつくる。それも相当甘い危機意識のもとに。住民がごねれば金で黙らせる。黙らされる住民の責任もなしとはしませんが。広範囲にわたって住民が大変な目にあうのに、事故を起こしても正直に言わない。最後の最後まで隠し続けて挙句の果てには責任のなすりあい。ずさんな運営をしていたことはすべてが手遅れになってから明らかになる。
もんじゅ然り東海村然りそして今回の福島第一然り(ここは現在進行形で責任問題は発生していませんが、時間の問題です)。
そして何の検証も反省もされないままなんとなく終わる。あの動燃すら名前変えただけでそのまま存続する。これでは信頼するのは無理です。平気でうそをつくガキを信じてはいけないのです。中からは変われないのです、この国は。

(2011年3月17日22:51)
石川
件名:Re
内要:岩佐様
メールありがとうございます。
自宅の調子の悪いPCですので、打ちにくいですが、お答えします。容器が壊れないとは・・・絶対とは言えないのは解りますよね。なんたって相手は核(爆弾)ですから!

核爆発の確率は、日に日に高くなります。
だから、ボロン・ホウ素を緊急輸入したり、なんでも対応しなければなりません。荒治療といわれても、やるしかないでしょう、今は。

今後、いろいろなことに自己責任で対処しなければなりません。それに備えないと・・・となると、何にと質問されそうですね。

基本的には、風向きに注意して、こちらに来るようでしたら、外に出ない。外に出たら、帰宅後、シャワーなど直ぐに浴びて、ホコリなどを洗い流す。

放射線物質を多く取り込む食品をひかえる。
・・・なんだったか忘れました。調べないと・・・。
あとは、大人はどうでも良いですが、子供に向けて。
チェルノブイリの時もそうでしたが、子供に被害が集中します。
ヨードなどを摂取して、体に(リンパ)等に、放射性物質を取り込まないようにする
対策が必要です。これは医者の処方箋が必要と思います。
ヨードを過剰に摂取すると病気になる時があるとも聞きます。

まださまざまありますが、これくらいにして、
どんな時でも危機管理は重要です。
文句を言っても始まりません。何とか協力して、やっていくしかないですね。
今の***みたいですね。

中からは変われないから、こんなことが起こり変わらざるを得ない。
そんなに皆あほではないので変わると信じます。

皆さんにメール転送していますが、
HPのブログにアップしても良いですか?
いいご返事いただければ、やります。名前などは伏せますか?。
問題なさそうですよね。反逆罪なんて、内容は無いですよね?

(2011年3月18日1:36)
岩佐
件名:ブログのアップも
内要:ぜんぜんかまいません。
素人の意見ですし、日ごろのストレスをたたきつけただけのような、ペシミスティックな内容でもあるので少し恥ずかしい気もします。でも読んでくれた人が「こいつ何言ってんだ」であれ、「その通りだ」であれ、考える材料にしてくれるなら万々歳です。名前も出してくれてかまいません。国家に反逆するなんてかけらも考えたことはありませんし、問題ないと思います。

核爆発、やっぱり起こるんですね・・・。

怒りを覚え、吐き出してみたとしても、結局変わる勇気を持てない自分に全部跳ね返ってきます。とりあえずの必要性と好奇心でとんでもないものに手を出して、痛い目にあわないと分からない。にもかかわらず数日もたてばすっかり忘れている。同じエラーを繰り返しておきながら、「そういえば…」なんていってその場をごまかして、気が付けばジリ貧…身動きの取れない自分がいる。「なんとかならないものか」なんて、思考停止の言い訳にもならないですよね。

現実問題として、これからすべての人が大変です。ただでさえ低迷している日本にとって、この事故がプラスになることはありえないでしょう。放射能でもなく核爆発でもなく、自分が今一番懸念しているのは、「人の心が殺伐としてくること」すでにその兆候はあります。殺伐として右傾化、全体主義、戦争――いつか通った道です。戦前の人々より今のわれわれの方が賢いとはとても思えません。あんな素人政権ひとつつぶしてしまえない国民なのですから。

原子炉のお話から社会の話に飛躍してしまいましたが、考えれば考えるほどドツボです、ね。


コメント/トラックバック (1件)

トラックバック用URL:

この投稿のコメント・トラックバックRSS

  1. こんにちは!桑原です

    この稿斜め読みさせていただきました
    結局のところ原発をどのようにしていくべきとお考えでしょうか?
    わたくしは東京都心にでも設置できるミニミニ原発しか
    ありえないと考えています
    3.11をきっかけに新たなエネルギー体系を考え
    日本地域社会研究所からクルマ社会の革新を中心にした企画書を上辞いたしました

    少しお時間の余裕が生まれた時にでもお読みください
    よろしくお願いいたします

    桑原利行 拝



管理人にのみ公開されます


使用できるXHTMLタグ:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

top

研究・開発の支援事業

3D CAD事業

ロール成形事業

石川剛圭のブログ